8月13日、乗り合いタクシーでヌブラ谷へ向かう。ヌブラは地理的には「ラダック」地方から外れ、さらに北のパキスタンと中国の国境近くまで行くことになる。地球の歩き方には載っていない、辺境の地だ。ジープをチャーターすると3000Rs以上するヌブラへの旅も、ローカルバスか(ローカルバスは3日に1回しか運行していないのだけれども)乗り合いジープなら300Rs〜から行ける。車で5時間の道のり。途中、世界で一番高い峠「カルドン・ラ」を超える。
何から何までお世話になっている(食事までほとんどおごってもらってしまった)友人Tenzinに「ヌブラはいいところだよ。気をつけて行ってきな」と見送られるかと思った瞬間、彼も車に乗り込んできて、「さあヌブラへ行こう」と、なんと3日間の旅にまで同行してもらうことになった。ホント,彼にはお世話になった。ありがとう。(ヌブラでは英語が余り通じなかったので,彼が来てくれたことは本当にありがたかった)
レーを出て2時間、くねくねの道を登っていく。3500メートルから、4000メートル、5000メートルと標高を高めていく。途中見下ろす村の緑の景色は、綺麗だった。
標高5000メートルを超えると、雪が見え始める。車の窓から入り込んでくる空気も,冷たくなる。そして酸素がだんだん薄くなってくる。
レーを出発して2時間、カルドン・ラ峠についた。標高5602メートル。世界で一番高い峠だ。
僕はサンダル、半ズボンとTシャツに薄手のカーディガンという格好で外に出たのだが,やっぱり寒くて死にそうだった(笑)
これまでの人生で訪れた最高地。富士山よりさらに2000メートル高い。もちろん酸素がほとんど無い。心拍数は限りなく上がる。足が重い。初めての体験だった。調子に乗ってはしゃいで歩いていると、アキレス腱の近くが「ピリピリ」と言い始めた。ひどい頭痛がする。体中のあらゆる血管が膨張しているのが分かる。10分ほどしてから車に戻った。
カルドン・ラを超え、今度は下りになる。しばらくすると,緑豊かな村が見えてくる。カルドン村だ。
それからシャヨク川とヌブラ川が見える。砂漠もある。途中、チャリダーともすれ違った。この5602メートルをチャリで超える大人の遊び。興奮。ここは自転車で訪れることのできる、世界最高地だ。
いつかチャリで来よう、と思った。
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