佐々木圭一さんの 『伝え方が9割』を読んでみました。
結論から言うと、ぜひ皆さんにお薦めしたい本です。Amazonでも書店でもかなり売れてるみたいです。
僕もブログの執筆や本の編集など、言葉を扱うひとりの人間として、大いに参考になりました。
2012年のカンヌ広告祭3冠の博報堂コピーライターによる、
具体的で、 ストレートに語られている実践的なノウハウ本です。
実は、著書の佐々木圭一さんは、僕の恩師の一人です。
2009年〜2010年頃、上智大学の「メディア・対話・レトリック」という授業と、
京都精華大学の「広告表現技法」という授業を聴講していました。
佐々木さんの話を聴きにいくために、新幹線で毎月、京都に通っていたんです。
その後、いろんな縁もあり、ちょっとしたお仕事させて頂いたこともありました。
Labitの前身の制作チームがあったのもの、佐々木さんから引き受けた仕事の影響も大きいです。
もう2年以上も経ったんですね。
この本が、僕にとってある種の「再会」で、まるで授業の続きのようでした。
「できたてをご用意いたします。4分ほどお待ち頂けますか?」
本書では主に、
1.「ノー」を「イエス」に変える技術 と、
2.「強いコトバ」をつくる技術
の2部構成で、それぞれの技術が解説されています。
─ ちょっと、想像してみてください。
ハンバーガー店などで注文して、少し待ち時間があるときのシチュエーション。店員から「少々、お時間がかかるのですが」と声をかけられたら、時間が無いからやっぱりいいやと、その場で立ち去るかもしれません。
もしも「できたてをご用意いたします。4分ほどお待ち頂けますか?」という表現だったらどうでしょうか。「それならば・・・」と、待っている時間の期待値も高まります。できたてという事実は変わりないけど、表現ひとつで受け手の印象が変わります。
同じ目的でも、伝え方ひとつで、相手やお客さんの気持ちが変わってしまう、そんなコトバの技術が、たくさんのケーススタディを交えながら、本書では解説されています。
イエスに変える7つの切り口として、「相手の好きなこと」「嫌いなこと回避」「選択の自由」「認められたい欲」「あなた限定」「チームワーク化」「感謝」が解説されています。
「あ、小林製薬」「そうだ 京都、行こう。」
そういえば耳に残っているなーと思う、印象的なフレーズ。
多くの人を動かす「強いコトバ」は、どのようにして生み出されているのか?
たくさんのケースが紹介され、体系化された5つの技術「サプライズ法」「ギャップ法」「赤裸裸法」「リピート法」「クライマックス法」が解説されています。
この手のノウハウ本は書店に溢れかえっていると思いますが、
佐々木圭一さんの本は、やはりちょっと違うなと思いました。
おそらく彼のバックグラウンドや、長い間、言葉と向き合ってきた人だからこそ
説得力をもって言えることなのかもしれません。
「伝える」仕事をしている人だけでなく、社内でのコミュニケーションや、メールやSNSでのやり取りが多い人、ブログを書いている人など役に立つヒントがあると思います。
言葉は誰もが使う「ツール」ですが、いっぽうで、誰もがわざわざ「武器」にはしようとしないものです。文章のプロではなくても、日常生活のちょっとした意識で、違いを感じられるはずです。
Amazonでは品切れや在庫が少ないようですが、少し安いKindle版も3/11に発売するようです
とりあえず僕の会社のメンバーにも読ませて、みんなで言葉のスキルアップを目指します。笑
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