2011年カンヌ国際広告祭で、電通の東畑幸多さん(@Thahaha)が手がけた “九州新幹線全線開業記念「JR九州/祝!九州キャンペーン」CM” が、アウトドア部門で金賞、メディア部門で銀賞を受賞されたそうです。
このCM、まだ見たことがない方は、まずは見てもらいたいのです。九州新幹線の全線開通(2011年3月12日)に向けて、3月9日にまずはWebで公開されました。そう、あの東日本大震災の2日前でした。震災の影響もあって式典は中止になり、CMも放送自粛されました。大変残念でなりません。
しかし地震から2日、3日と経った頃、TwitterでこのCMの存在が大きく話題になりました。そのとき僕も初めて見て、停電や余震が続く中、これからどうなるんだろうという不安の中で、涙が止まらなくなりました。多くの方を励ました映像になったと思います。僕も九州出身として、大変誇りに思いました。
東畑幸多さんの少し前のインタビュー記事に、こんなことが書いてありました。
「広告を制作をする際にいつも心がけていることは?」という質問には「対象となる商品を生活者が手にする時の「気分」をしっかりと規定するよう努めている。その商品が生活者をどのように「幸せ」にしてくれるのか、ということが定まらないと、広告アイデアも考えづらい。最近はメディア環境の変化も激しいので、テレビCMもそれだけで完結させるのではなく、CMを起点にしたコミュニケーションが起こるように、ということも考えている。」と述べた。また、今後は「メディアを駆使して、世の中にサプライズを与えるようなダイナミックな企画を実現させたい」とも語っている。)
「あの日、手を振ってくれてありがとう。笑ってくれて、ありがとう。一つになってくれて、ありがとう。」
映像の中で語られるこのフレーズは、決して誇張ではないと思う。胸に刻み込まれて、忘れられません。
いい作品に出会いました。カンヌ国際広告祭の金賞受賞、おめでとうございます。